研究実施体制(研究チームの構成)

研究分担体制表

【2014/9/9更新】
グループ名 研究代表者又は主たる共同研究者名 所属機関・部署・役職名 研究題目
筑波大学グループ 恩田 裕一 筑波大学・アイソトープ環境動態研究センター・教授 総括および同位体を用いた水循環プロセスの解明
九州大グループ 大槻 恭一 九州大学・農学研究院・教授 間伐による蒸発散量・水流出量の変化
名古屋大グループ 竹中 千里 名古屋大学・大学院生命農学研究科・教授 水資源の利用効率を最大化する森林管理手法の開発
東大演習林グループ 蔵治 光一郎 東京大学・大学院農学生命科学研究科附属演習林・准教授 愛知フィールドにおける間伐による水・土砂流出の変化
農工大グループ 五味 高志 東京農工大学・農学府国際環境農学専攻・准教授 森林管理,特に作業道と間伐による水・土砂流出の変化の観測
京都大グループ 小杉 賢一朗 京都大学・大学院農学研究科・准教授 三重サイトにおける水土砂流出の観測,土壌水分モデリング
鳥取大グループ 芳賀 弘和 鳥取大学・農学部・准教授 水環境評価
三重県グループ 野々田 稔郎 三重県林業研究所・森林環境研究課・主幹研究員 水資源の利用効率を最大化する森林管理手法の開発

研究機関別 研究概要

研究代表者グループ

研究題目:総括および同位体を用いた水循環プロセスの解明
研究実施項目・概要:
・ 研究実施項目 総括および同位体を用いた水循環プロセスの解明
・ 研究概要 研究進行全体を総括する。また,高知サイトおよび栃木サイトにおいて,水・土砂流出,蒸発散の観測を行う。栃木サイトを中心に詳細な水質・同位体観測を行う。また,全国から採水されてきた水を,一括して水質・同位体,濁質成分の同位体分析し,データベース化を行う。間伐前後の地表面状態の変化,土壌の変化について測定する。シンチロメータを用いて,間伐前後の蒸発散の広域評価を行う。
・ 研究構想における位置づけ 研究プロジェクト全体の総括を行うと同時に,高知サイトおよび栃木サイトにおいて,水・土砂流出,蒸発散の観測を行う。また,全国から採水されてきた水について,一括して水質・同位体,濁質成分の同位体分析を行いデータベース化することにより,モデリング等の研究に役立てる。さらに,統合モデルの開発について主体的に関わり,研究開発全体のリードをおこなう。

共同研究グループ(九州大学)

研究題目:間伐による蒸発散量・水流出量の変化
研究実施項目・概要:
・ 研究実施項目 間伐による蒸発散量・水流出量の変化
・ 研究概要 間伐による蒸発散量の変化を解明するために,福岡県福岡市の九州大学演習林において,間伐による林内雨の変化,地下水涵養量の変化について観測を行うとともに,林分蒸散量,遮断蒸発量の変化についてより詳細に計測する。また,他の流域の蒸発散測定についても指導するとともに得られたデータを基に蒸発散モデルを作成する。
・ 研究構想における位置づけ・必要性 蒸発散量測定一般について,主導的に担当するとともに,得られたデータを基に蒸発モデルを作成する。小松を中心に,間伐に伴う水流出量の変化モデルを構築する。

共同研究グループ(名古屋大学)

研究題目:水資源の利用効率を最大化する森林管理手法の開発
研究実施項目・概要:
・ 研究実施項目 水資源の利用効率を最大化する森林管理手法の開発
・ 研究概要 森林管理モデルを用い,得られた浸透能データ,流出データより水資源利用効率を最大化する持続可能な森林管理技術を開発する。GISを用いて既存の人工林の水資源の評価を行う手法を確立する。間伐前後において物質循環を解明する。
・ 研究構想における位置づけ・必要性 本研究のアウトプットとして重要な,水資源の利用を効率を最大化する森林管理手法の開発の開発にあたるとともに,航空機レーザー測量データを用いた人工林の水資源利用効率について評価手法を開発する。間伐前後において物質循環を解明することにより,生態学的観点より水・物質流出について評価する。

共同研究グループ(東大演習林)

研究題目:愛知フィールドにおける間伐による水・土砂流出の変化
研究実施項目・概要:
・ 研究実施項目 愛知フィールドにおける間伐による水・土砂流出の変化
・ 研究概要 東京大学愛知演習林において,すでにデータが蓄積されている間伐前の荒廃人工林において水・土砂流出観測を継続し、その上で間伐を行い,間伐が水・土砂流出特性に及ぼす影響を検出するための観測を行う。
・ 研究構想における位置づけ・必要性 森林荒廃CRESTですでに荒廃人工林の水・土砂流出特性データが得られている愛知フィールドで間伐実験を行い,どのような流量変化が起こるかを検出することで、影響予測モデル、森林管理モデルの同定に資するデータを得る。また,既存の広葉樹流域の間伐も行い,広葉樹の間伐影響評価を行う。

共同研究グループ(農工大)

研究題目:森林管理,特に作業道と間伐による水・土砂流出の変化の観測
研究実施項目・概要:
・ 研究実施項目 森林管理,特に作業道と間伐による水・土砂流出の変化の観測
・ 研究概要 間伐による水・土砂流出および蒸発散量の変化を解明するために,栃木県佐野市における唐沢山試験地において,作業道開設があり列状間伐を行った場合と,作業道を開設せず点状間伐を行った場合を比較して,林内雨の変化,地下水涵養量の変化について観測を行うとともに,林分蒸散量,遮断蒸発量の変化についてより詳細に計測する。
・ 研究構想における位置づけ・必要性 間伐前後の水土砂流出量の変化について,現在行われている2つのタイプの間伐および森林管理手法を用いて比較検討する。特に,共同研究者に森林工学者(岩本)の協力の下,実際に作業道を開設し,作業道の有無の水土砂流出への影響を算定するとともに,五味により得られたデータを総合的に解析し,水土砂流出モデルを作成する。

共同研究グループ(京都大)

研究題目:三重サイトにおける水土砂流出の観測,土壌水分モデリング
研究実施項目・概要:
・ 研究実施項目 三重サイトにおける水土砂流出の観測,土壌水分モデリング
・ 研究概要 間伐前後の荒廃ヒノキ人工林流域における降雨流出特性を比較するため,間伐前の流量データが蓄積されている三重県大紀町の試験流域において,水・土砂流出の観測を行うとともに,間伐前後の土壌水分モデリングを行う。
・ 研究構想における位置づけ・必要性 間伐前の水土砂流出の観測データがもっとも蓄積されている三重サイトにおいて,間伐を行い,その変化についてモニタリングするとともにすることは,研究計画上非常に重要である。

共同研究グループ(鳥取大)

研究題目:水環境評価
研究実施項目・概要:
・ 研究実施項目 水環境評価
・ 研究概要 間伐前後の全国の流量データを基に,間伐による森林河川にからの溶存物質濃度を水の流出経路に基づいて推定するモデルを開発する。
・ 研究構想における位置づけ・必要性 間伐前後の溶存物質濃度の解析をすることにより,間伐の水環境における効果を定量化できる。今後全国的に進められるであろう森林流域の“原単位の見直し”に際して大きく寄与すると考えられる。

共同研究グループ(三重県)

研究題目:水資源の利用効率を最大化する森林管理手法の開発
研究実施項目・概要:
・ 研究実施項目 水資源の利用効率を最大化する森林管理手法の開発
・ 研究概要 林業経営者にどのような間伐事業制度を取りいれたかについて聞き取りを行い,林業経営者の意識を調査することにより,持続可能な人工林の経営と水資源対策を行うための方策を検討する。また,森林管理モデルを用い,得られた浸透能データ,流出データより水資源利用効率を最大化する持続可能な森林管理技術を開発する。
・ 研究構想における位置づけ・必要性 本研究のアウトプットとして重要な,水資源の利用効率を最大化する森林管理手法の開発の開発にあたる。とくに,今回得られるであろうデータに加えて三重県の様々な地域の実例もモデルに取り込む。