Research Topics

This is what we do

basic research concept

環境中の安定・放射性同位体は、さまざまな起源をもち、その起源やその後の物理・化学反応プロセスの違いにより、異なる濃度や同位体組成で存在しています。これらを十分に理解することで、安定・放射性同位体は環境・地球化学研究において非常に重要なツールとなります。また、その濃度によっては、チェルノブイリや福島のように環境や人体、動植物に影響を与えます。  本研究室では、環境中の安定・放射性同位体の移行・挙動に関する研究やそれらから得られた情報や同位体組成を用いた環境動態研究を行っています。

表層海洋環境の歴史書

サンゴは過去の陸域や海洋表層環境の変遷史をその骨格にとどめながら成長しています。特に、私たちは成長が早く、骨格に年輪が明確に表れているサンゴをターゲットとし、表層環境復元に関する研究を行っています。

トレーサーを使って海水循環を知る

海水中にはごく微量の放射性核種が存在しています。特に人工放射性核種は、海水の循環を追うための非常に優秀な“トレーサー”として働きます。地球の気候と深くかかわる海水の表層・深層水の循環を、このトレーサーを使って調べています。

深海底堆積物:鉄マンガンクラスト

深海では、鉄やマンガンを主成分とする鉄マンガンクラストと呼ばれる化学堆積物ができています。一見、普通の岩に見間違うこの化学堆積物は、年々成長を続けながらレアアースや貴金属など様々な元素を濃集しています。なぜ、どのような環境でそれら元素は取り込まれ、濃集するのか、その成長年代などについて研究しています。

福島第一原子力発電所事故

2011年3月11日の地震に伴い引き起こされた福島第一原子力発電所事故による放射性物質の環境拡散。放出された核種組成やそれら核種の環境中での挙動についてはまだまだ不明瞭な点が多く残っています。

エアロゾルの起源や形成過程を知る

PM2.5など、現在問題になっていますがそれらはいったいどのような元素から成り、どのように形成され、どこから来たのか?さまざまな手法を用いて解析をしています。

旧ソ連最大の核実験場;
汚染状況・長期低線量被ばく調査

1949年から1989年までの間に、合計450回以上もの核実験が行われたセミパラチンスク核実験場(カザフスタン)の周辺には、多くの集落が存在しています。今なお明らかになっていない汚染の状況そして健康影響などについての詳細な調査研究を続けています。