「福島原発事故により放出された放射性核種の環境動態に関する学際的研究」がA+評価を頂きました。

日本学術振興会は26日、「平成29年度『新学術領域研究(研究領域提案型)』中間・事後評価に係る領域代表者からの報告・科学研究費補助金審査部会における所見」を発表し、恩田裕一先生が代表を務める研究領域「福島原発事故により放出された放射性核種の環境動態に関する学際的研究」が、A+評価を頂きました。

 

A+評価は「研究領域の設定目的に照らして、期待以上の成果があった」研究に対して与えられるもので、今回、事後評価22研究領域中、本研究を含めて4領域に与えられました。

 

今回の研究は2011年の東日本大震災を契機とした東京電力福島第一原子力発電所の事故によって原子炉施設から放出された放射性物質の福島県とその周辺地域おけるに飛散・沈着に着目したものです。本領域研究では、オールジャパン体制で放射性物質の拡散・輸送・沈着・移行過程を同定し、その実態とメカニズムを解明すること、及びそれに基づいて長期的な汚染状況の予測と被ばく線量の低減化のための方策を提示することを目的としています。成果の一つとして、大気中に放出された放射性物質の排出量推定と動態に関するモニタリングとシミュレーションに関する手法を確立しました。

 

科学研究費補助金審査部会における所見では「進行中の様々な問題をトップダウンではなくボトムアップ的に正確に捉えて柔軟に対応し、学術的に質の高い成果を生み出してきたという点で高く評価できる」、「新たな研究領域の確立に成功している」と評されました。

 

結果について「研究成果が顕著であること」に加え、「若手研究者の成長を目的とした研究プログラム」、「メディアを利用したアウトリーチ活動の実施」「包括的な日英の書籍の刊行に貢献」など、意義のあるさまざまな活動も高評価につながったとしています。

 

今回のA+評価を受け、「ともに尽力いただいた皆様のおかげでこのような高評価を受けることができた。日本科学未来館で3月に開催される『原発事故から7年。放射能汚染の状況はどこまで回復したか。』と題するシンポジウムで、今回の研究成果を紹介したい。」と恩田先生。「今後も皆様の協力を受け、進めてゆくことができれば」と言葉を寄せました。

 

参考リンク

【文部科学省】平成29年度事後評価対象研究領域一覧(22研究領域)

【文部科学省】平成29年度「新学術領域研究(研究領域提案型)」中間・事後評価に係る領域代表者からの報告・科学研究費補助金審査部会における所見(P61, 62に掲載。PDF: 2,176KB)

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