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【メディア】恩田教授を中心にしたグループの福島陸域放射能挙動のレビューが Nature Reviews Earth & Environmentに掲載されました

福島第一原発事故で放出された放射性物質の陸域環境中での動き ~チェルノブイリより環境回復は大幅に速い~

福島の陸域環境モニタリングに関する研究論文210本以上を網羅的に集約し、特に放射性のセシウム137(137Cs)の陸域での移動の実態を解明し、それに基づく陸域汚染の実態と環境回復の全貌を明らかにしました。森林以外の土地では、137Csの表層土中濃度はチェルノブイリ原発事故の影響地域よりも速く低下し、空間線量率や河川水における放射能濃度低減の要因となりました。水に溶けて森林から流出する137Csは、チェルノブイリ事故影響地域より1、2桁低い濃度で推移しており、阿武隈川を流下する懸濁態の137Cs濃度は初期値の2%程度になっています。
これらのことから、137Cs は陸域に多く残っているが、地面に露出した137Cs 濃度が劇的に低下したことで、河川へ流入する137Cs 濃度の低減をもたらす因果関係が新たに解明されました。

このレビュー論文は こちらから無料でご覧いただけます。https://rdcu.be/b9iAz