6 Oct 2022
アイソトープ環境動態研究センター・国際連携データ解析部門専任教員の青山道夫先生が、筑波大学附属病院にて、多臓器不全のため2022年9月5日、享年69歳にて永眠されました。
突然の訃報に接し、心から哀悼の意を表しますとともに、ここに生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます。
▼訃報によせて
2019年4月、青山先生は本センターに着任し、主に環境放射能データベースの立案、構築、運営を手がけました。この仕事は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により環境中に放出された環境放射能の観測データを収集し出版することで、できる限り一か所に集まった状態で自由に利用できるようにするという目的のために行われました。情報を後世に残し伝えることは,福島事故関連の研究を含む環境放射能研究において重要だとする青山先生の考えに基づいています。
正しい情報・数字を必要とする人に伝えることを、科学者が人間として社会に貢献できることの一つだと考えていた青山先生は、海外メディアや新聞の取材にも積極的に応じ、専門家として情報を分かりやすい言葉で提供していました。また、若い科学者をサポートしたい、自身が身に付けた技術を継承したいという考えのもと、60代半ばという年齢においても、授業を担当し、実験や計算、執筆を行っていました。生涯現役の科学者として精力的に邁進する姿は関わる人々に勇気と元気を与え、孫ほど歳の離れた学生と膝を突き合わせて議論するさまは、知的に生きることの愉しさを教えてくれました。
「地道にやる」と常々口にされていた青山先生の残した仕事を継承することは、弊センターの目指す地球環境変動の解明につながると確信しています。地球環境という大きな研究対象に、構成員一丸となり、これからも「地道に」研究、教育活動に取り組んでゆく所存です。
2022年10月3日 教職員一同